nico先生は、陽当たりの良い海辺の診療所で、人々が元気で過ごせるように願いながら、日々診療にあたっています。そんなかたわら、時々ぼんやりしながら、いろいろなことを思うのでした。
今年も 口を開いて
こぼれる種
一つ一つは ガーネット
眺めた後に 口に含み
感じる甘酸っぱさは
この季節の 記憶になる
とても大切にしている金魚
少女は 朝起きて 夜寝るまで
時間があれば ずっと眺めている
寒いある夜
「金魚が水の中で寒そう・・・」
そう思った彼女は
冷たい水に手を入れて 言った
「いっしょに おふとんでねよう」
今年も 季節がやってきた
高いところにもなっている
食べてみようかと
つかめる枝ごと ひっぱった
手には
つい見入ってしまうその姿
ほかのを食べよう 眺めながら
やっぱり 神様っているのかも
これにすべて入っている
生きるすべてが入っている
でも見た目は すごく単純
複雑で こんがらがるよりも
難しいことは 置いといて
単純に考える方がいいって事も
あるんだろうな