かたい殻の中で、少しずつ熟し、
その時を待って殻が割れる。
果実の1つ1つは、
殻から姿を見せるその時まで、
焦らずにじっくり熟していくから、
はじけた時が一番おいしいのだと思う。
nico先生は、陽当たりの良い海辺の診療所で、人々が元気で過ごせるように願いながら、日々診療にあたっています。そんなかたわら、時々ぼんやりしながら、いろいろなことを思うのでした。
「栗きんとんに使うといい」と、
不思議な形をした実をいただいた。
「これは,小さな宇宙人のロケットだ!
栗きんとんをきれいに色付けするために
地球にやってきた宇宙人の乗り物だ!」
なんて考えるのも時には楽しい。
たくさん実をつけるから
花言葉は「裕福」「利益」。
縁起物でお正月によく飾られる。
飾る意味はあるかもしれけれど、
たくさんの赤い実がなっているのを見ると、
それだけで明るくなる気がする。
赤い色の力ってすごい。
食べようと思うなり、
勢いでまっすぐ刺すと、
へたが邪魔して食べづらい。
結局手でつまんで口へ運ぶ。
あわてずに、
少し考えて動いた方がいいんだよな、
と思わなくもないが、
口に入れば、
そんなことがどうでもよくなる。
夏の夜にレースをまとったような
美しい白花を咲かせていたと思っていたら、
もう実をつけていた。
確かに外は肌寒い。
暑いときには涼し気な、
そして寒いときには温かみのある色になる。
都合の良い見方・・それもいいかな。
同じ色の中にいると
自分の色なんて意識しないけれど、
違う色と出会うと
自分の色を意識することができる。
そんな出会いが増えると、
自分の色の良さがどんどん見えてくる気がする。
自分の色も、
となりの色も
とても素敵なんだ。