nico先生は、陽当たりの良い海辺の診療所で、人々が元気で過ごせるように願いながら、日々診療にあたっています。そんなかたわら、時々ぼんやりしながら、いろいろなことを思うのでした。
切り倒されても
翌年には
新しい芽を
吹き出させる
断たれたと思っていても
沈黙を破って
年輪の見える一端から
確実に 吹き出させる
いつもそわそわ 待っている
玄関の音に 一目散に駆け寄った
やっと帰ってきた
「ほい」と渡され うけとって
包み紙をやぶいて かじりつく
満たされる
口の中にも 心にも
甘さが 目一杯広がって
木陰から
ふと見上げると
高いところに
キラキラ キラキラ
その昔 ここに座った旅人も
眺めていたのだろう
何処に向かって歩もうか
進める道は一つだけ
どうせ行くなら 楽しもう
右往左往して もがいてみても
思うようにならないことがある
そんな「何か」があっても
心の中で描く世界は
縛られない
どんどん広げて 広げて 広げて
私を縛る本当の「何か」を
弾き飛ばそう