2022年12月7日水曜日

散歩道

 

「食べきれないから貰って」

 その言葉を待ってました


 日に日に気になる塀の上

 散歩中に 毎日チェック


 もう食べごろだったんです

 ありがたく 遠慮なく

 いただきます


2022年11月25日金曜日

はじまり

 



切り倒されても

 翌年には

 新しい芽を

吹き出させる


 断たれたと思っていても

 沈黙を破って

 年輪の見える一端から

 確実に 吹き出させる

おかえり

 

いつもそわそわ 待っている

 玄関の音に 一目散に駆け寄った


 やっと帰ってきた


 「ほい」と渡され うけとって

 包み紙をやぶいて かじりつく

 満たされる

 口の中にも 心にも

 甘さが 目一杯広がって

2022年11月24日木曜日

えのきのねもと

 



木陰から

 ふと見上げると

 高いところに 

 キラキラ キラキラ

 その昔 ここに座った旅人も

 眺めていたのだろう

 何処に向かって歩もうか

 進める道は一つだけ

 どうせ行くなら 楽しもう

2022年11月23日水曜日

HOPE




「 何か」に縛られて

右往左往して もがいてみても

思うようにならないことがある

そんな「何か」があっても

心の中で描く世界は

縛られない


どんどん広げて 広げて 広げて

私を縛る本当の「何か」を 

弾き飛ばそう


2022年6月24日金曜日

Just now


                   こないだ

今年初めて 一粒だけ食べた


そう思っていたら

いつのまにやら どこへやら

ああ あの一粒が

今年の最後


あのとき

もっとちぎればよかったな


 

2022年4月29日金曜日

朧月夜に

 

地面の黄色は 明るくて

遠い空から見えるかも

遠い空から見てみれば

自分も 花も いっしょくた

大きいとか 目立つとか

そんなちっぽけことは ちっぽけで

どうでもいいと思うほど

小さな 小さな ものだろな



2022年3月5日土曜日

ここにいる

 


朝霜の空き地に

誰が植えたか

ちらりほらり


よくよく見ていて 気がついた


ほかのと違って

小さく 目立たない

だから

存在感は 抜群だ

2022年2月26日土曜日

今日を待って

 






夜明けが 少しずつ早くなってきた

でも 鼻先の風は

昨日よりも キンとくる


まだまだだと思ってた


じっと耐えるだけじゃないから

知っているんだろうな

咲く時を


2022年2月12日土曜日

INNOCENT

 


山で コーヒーを入れてみた

澄んだ空気の中で 一杯口に運ぶ


少し離れたところに

白く輝く何かに気づく

カップを持ったまま近づいてみる


朝露に濡れた翅が きらきらと


ふうっ と一息こぼれる

2022年2月4日金曜日

夕暮れの怪人

 


片付けようとふと見たテーブル

黒いマントを着た

口を開けた姿にぎょっとする


秋の日の夕暮れに

とうとう現れた!


そんなドキドキを

大切にしたい

2022年1月28日金曜日

Memory

 


今年も 口を開いて

こぼれる種


一つ一つは ガーネット


眺めた後に 口に含み

感じる甘酸っぱさは

この季節の 記憶になる

2022年1月22日土曜日

まっすぐな思い

 


とても大切にしている金魚

少女は 朝起きて 夜寝るまで

時間があれば ずっと眺めている


寒いある夜

「金魚が水の中で寒そう・・・」

そう思った彼女は

冷たい水に手を入れて 言った

「いっしょに おふとんでねよう」

2022年1月14日金曜日

CREATURE

 


今年も 季節がやってきた

高いところにもなっている


食べてみようかと

つかめる枝ごと ひっぱった


手には

つい見入ってしまうその姿

ほかのを食べよう 眺めながら 

やっぱり 神様っているのかも

2022年1月11日火曜日

Simple

 


これにすべて入っている

生きるすべてが入っている

でも見た目は すごく単純


複雑で こんがらがるよりも

難しいことは 置いといて

単純に考える方がいいって事も

あるんだろうな